鳳(おおとり)や龍がおこした…「風」
2019.11.17

秋も深まり、冷たい風が身に染みる季節になってきました。「風」は、上の金文をみて分かるとおり、「凡(帆)」と「虫」に分解されます。古代中国では、伝説上の鳥や虫が羽を使って風を起こすと考えられていました。
実は、「風」と「鳳」=伝説上の神鳥=の文字は、もともと同じ文字だったとされています。人々は、風とともに大空を羽ばたく鳳凰の姿を見ていたのです。
その後、天空には龍が住むと考えられるようになり、風は龍の姿をした神が起こすとされました。そして「凡」に、龍を含めた爬虫類を示す「虫」の文字が加えられ、「風」の字が作られたという説があります。
このように漢字をひも解くと、「風」は、なんとも神秘的な漢字と思えてきますね。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)
