産経国際書会

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三つの鋤で助け合い耕す…「協」

 喧嘩けんかしている三兄弟さんきょうだいちちったよ。「このたばねた三ほんれるか?」って。一本いっぽんなら簡単かんたんに折れても、三本一緒いっしょだとだれも折ることができなかったので、三人は、協力きょうりょくすればそれだけちからづよくなることがわかり仲直なかなおり。

 うえの、「協」の金文きんぶんてごらん。右側みぎがわの「」は、ちからすきかたちをしている)みっつのわせだね。これは農耕のうこうとき、協りょくしてだがやすことをしめしている。むかしは農作業さぎょう共同きょうどうおこな必要しつようおおかったんだね。左側の「」には、ひとつにまとめるという意味いみがあるから、力やこころを合わせて物事ものごとを行う、たすける、という「あわせる」「ともにする」「かなう」の意味になったんだ。「協調ちょう」「協」「協さん」「協てい」などと使つかう。そういえば、金文は、ラグビーのスクラムの形にも見えるね。

 ところで、「共同」と「協同」はどう違うのだろう。すぐに協しないで、かるまでトライしよう。令和れいわ元年がんねんもなくノーサイド。としむかえてね。

(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)