産経国際書会

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ごちそう囲み 助け合って暮らす「郷」

 新がたコロナウイルスの影響えいきょうでおぼん休みに故郷こきょうへ帰れなかった人が大勢おおぜいいたよね。

 「郷」という字は、もとは「鄕」と書くよ。金文で見ると「卯(ぼう)」と「 皀(きゅう)」の組み合わせで、「卯」は人が向かい合ってすわる形で「皀」は「(き)」が先祖せんぞの祭の食事をってそなえるうつわだよ。宴会でそのをはさんで2人が座る形だから、(むかいあう)の意味になる。そこに座る身分の者をきょう大臣だいじん)といい、のちにその領地りょうちの意味を含めて の左右に「邑」(□…四角い土地)と「」(かがんだ人の姿)の人の住む「さと・むら」を加えた「郷」の字が作られた。

 だから「鄕」と「卿」は同じなんだ。そこから、人々がたがいに向かい、助け合う仲間としてらす「むら」を指すようになったんだ。

 (いなか・ふるさと)を意味するから(郷土愛、郷しゅうさそう、同郷のよしみ)とか聞くよね。

 GoToトラベルでどこか行きたい―、温泉郷も悪くないね!

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)