産経国際書会

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器を打ち大きな声で叫ぶ「号」

 中国では昔からもっとも強い動物はとらだったとか。

タイタニックしょじょ航海こうかいで氷山にぶつかって沈没ちんぼつした悲げき豪華ごうか客船だけど…。そう、太字で書いた「号」「処」「劇」はみんな「虎」に関係がある。今回は、まず「号」について話そう。

 元字の篆書てんしょでは、神への祝詞のりとを入れるうつわの形である「(サイ)」と木の枝の形を表す「(コウ)」の組み合わせだ。いのねがうことが実現じつげんするよう、木えだを付けて大声で叫び、神に祈ったんだ。

 号の旧字は虎がさけぶような声にたとえ、右に虎を加えた「ごう」なんだ。それで、「さけぶ」「なく」「どなる」意味になり、大声で人をぶことから「呼び名」、さらに「あいず」「しるし」「じゅん番」―と広く使われて、今のような簡単な形の「号」になったんだ。「号泣」「元号」「記号」「号令」「屋号」―などよく見るね。

 そういえば、台風〇号とか、特別ニュースだと号外とかが出る。最近は、暗号解読ゲームも大人に人気だってね。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)