産経国際書会

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春の花だけじゃない「梅」

 「うめさけど うぐいすなけど ひとりかな」一茶。今回は春の花「梅」についてお話ししましょう。小学校4年で学ぶ文字になります。

 音読み=バイ(メ、マイ) くん読み=うめ 部首=きへん つくり=毎―になります。

 「梅」は、会意と形声―それぞれの性格せいかくを持ちます。会意では「木」+「毎」。形声では「毎」からマイ、バイとなります。その「毎」については諸説しょせつありますが、象形しょうけい文字で会意と形声をねたものと思われます。かみい、かんざしをつける女性の姿で、「毎」は髪を結った「母」を表します。

 「梅」は沢山たくさん実をつけ、中国では古くから薬として、妊婦にんぷを助けることから縁起えんぎの良いものとされていたようです。さらに、草木がしげる意味から美しく茂る木「梅」を意味することで漢字が成り立ちました。

 平安時代の医学書に、「梅は三どくを断つ」という記載きさいがあります。三毒とは、「血毒」(血の汚れなど)、「水毒」(水あたり)、「食毒」(食あたり)―で、それを毒するのに、梅干しがいい、という説です。

 日ごろから梅干しを食べて、元気な毎日をすごしましょう。

(産経国際書会常務理事 山本晴城)