人が嘆く様子を再現「次」「姿」

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 1月は自分の「次」の「姿」を考えるのに格好の時期です。今回はこの2文字を見ていきます。
 「次」は「冫」と「欠」で構成。諸説ありますが、金文の「欠」は横向きの人が口を開けている様子の象形で、「冫」は吐露された嘆きやその息遣いとされます。
 また、「次」の音(ジ)が、「2つ」を表す「弍」の音と同じことから、順序や整理の意味が出ました。「次第」などと使われます。
 一方、「次」の下に「女」を加えた「姿」の字は、身なりを整える様子など、女性の美しさを想起させるもので、そこから「姿」自体の意味が出てきました。ちなみに、「次」に「心」を加えた「恣」は、心にまかせて嘆く、つまり、「恣意(しい)的」や「ほしいまま」の意味となります。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)