2015年7月12日
「夏」の成り立ち 人が踊る姿から
もうすぐ、夏休みですね。上の文字は「夏」という漢字の篆書です。篆書とは漢字の書体のひとつで、楷書のもとになった文字です。
「夏」の篆書を見てみましょう。頭に飾りをつけた面をかぶり、両袖をひらひらさせながら、すり足で踊っている形をしています。古代、夏には祖先のために祭りが催され、踊りを奉納していました。そこから季節の「夏」という漢字が成り立ちました。
春芽吹き、夏茂り、秋実り、冬凍る。四季のなかで夏は万物を成長させます。
このため「夏」という漢字には、「大きい」「盛ん」という意味もあります。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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