2015年7月26日
窓から差し込む月あかり「明」
夜、部屋の明かりがついていないのにほのかに明るく感じたことはありませんか。それは月のあかり。「明」という漢字はその月あかりから生まれた文字です。
上の文字は「明」の金文です。偏(へん)は明りとりの窓の形、旁(つくり)は三日月の形から生まれた会意文字です。暗い部屋に、窓から差し込む一条の月明かりを古代の人たちは神の訪れと崇め、そこに神を祭ったようです。
「明」を使った熟語もたくさんあります。明るさを表す「明暗」、はっきりしていることを示す「明快」、賢いという意味の「賢明」や「聡明」。これらはその一部です。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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