2015年8月23日
古代、「福」は神が授けてくれた
人はだれでも幸福になりたいと常に思っています。幸福と感じることは人によってさまざまですが、古代では幸福は自分で努力して得るものではなく、神さまから分け与えてもらうものでした。
神さまが分け与えてくれるものは何だったのでしょう。それはお酒でした。上の文字は「福」(ふく)という漢字の甲骨文です。福という漢字はネ(示=台)を、は(で酒だる)をそれぞれ意味し、二つを合わせて作られています。神さまに捧げた酒を自分の酒だるにいただく(神福)ことを福としていたのです。
ですから「福」という漢字には「神さまから授かる助け」という意味もあります。
(書:産経国際書会副理事長 髙橋照弘)
前の記事 : 神に供え物を捧げる「祭」
次の記事 : 美しい「ひらがな」を書くためには