2016年2月21日

「世」の象形文字枝から伸びる新芽

 上の文字は「世」(セイ・セ、よ)という漢字かんじきんぶん青銅器せいどうきなどにきざまれたふるい文字)です。かれたえだあたらしいている様子ようすあらわしています。このように新しい芽が出ることから「ひと一生いっしょう」や「世代せだい」を意味いみする言葉ことばになりました。た漢字に「生」(セイ)がありますが、こちらはつちなかから芽が出て、くさえる様子を表しています。
 ここで漢字のざんです。「世」+「木」に「くさかんむり」を足すと「葉」(ヨウ、は)という漢字になります。葉はうすいものなので、「葉」には「薄いもの」や「かみ」といった意味もあります。また、「中世ちゅうせい」のことを「中葉」とも言うように、「世」と同じ意味で使われることもあります。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)