きれいにすんでつめたい氷の「冷」

　いよいよ楽（たの）しい夏休（なつやす）みです。毎日（まいにち）暑（あつ）くて、冷房（れいぼう）と冷（つめ）たい飲（の）み物（もの）が欠（か）かせません。冷（ひ）やし中華（ちゅうか）や、かき氷（ごおり）も最高（さいこう）だね。
　上（うえ）の字（じ）は、「冷」の金文（きんぶん）です。右側（みぎがわ）の「令」は（集（あつ）める印（しるし））と（ひざまずいた人（ひと））を合（あ）わせた字です。王様（おうさま）が人々（ひとびと）に、神様（かみさま）のお告（つ）げと言（い）いつけを、すみきった声（こえ）で言う様（よう）子（す）を表（あらわ）します。お告げはとても清（きよ）らかで、「レイ」という音（おん）には、「すんできれい」という意味（いみ）もあります。「冫」は、氷の印です。ですから「冷」は、冫（こおり）と令（すんできれい）を合わせた字で、氷のように澄（す）みきって冷たい意味に使（つか）います。冷蔵（れいぞう）庫（こ）に冷えたスイカが入（はい）っています。宿題（しゅくだい）がすんだら、めしあがれ！

（書：産経国際書会副理事長　勝田晃拓）