2016年8月21日
もとは穴のことだった「空」
青い空! 大空! 何ともさわやかで、元気が出てくる言葉です。でも、「空しい」「空っぽ」といった使い方もあります。そこで、「空」という字を考えてみました。大昔、古代人は穴の中に住んでいました。上の篆書を見ると、穴の入口を示す(ケツ)と、虹のようなゆるいカーブを示す工(コウ)が、ドームのような形の穴を表していて、「空」という字が成り立ったということです。だから、「空」はもとは「穴」のことでした。
「空」はドームのような形に似ているため、天空や蒼空という意味の大空を表すようになりましたが、それはだいぶん後の時代になってからのことなのです。
いつも空ばかり見て歩いていたらぶつかって大変ですが、心はいつも空を見上げる気持ちで歩みたいですね。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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