2016年11月13日

稲穂と虫、火からできた文字「秋」

 ほんには「春夏秋冬しゅんかしゅうとう」という四季しきがあります。はるはおはななつ海水浴かいすいよくあき紅葉もみじりと、四季それぞれの特色とくしょくたのしめるのは、日本ならではのしあわせです。せつとしては9がつから11月までが秋です。
 秋は、もとは「」ときました。みのったイネやアワなどの穀物こくもつが、こうべらした姿すがたの「)」と、イナゴやカミキリムシなどのかたちをした「(龜)」と、穀物をべるイナゴなどの害虫がいちゅうを、「火(れんが)」でき、豊作ほうさくいのったことからできた文字もじです。このようにひとつ一つの意味いみわせてできた文字を、「かい文字」といます。のちに「」は、「亀」を省略しょうりゃくし「秋」となり、実りや季節をあらわすようになりました。
 本格的ほんかくてきふゆまえに、食欲しょくよくの秋、芸術げいじゅつの秋をたのしみましょう。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)