2016年11月27日
器に盛られた「食べもの」「食」
人が生きるためには、衣・食・住の三つが必要であると言われますが、なかでも「食」はその柱ではないでしょうか。そこで「食」の字をひもといてみました。上の甲骨文字は、「皀()」が、食べものを盛る足の付いた器で、「」が上からふたをした形を示した象形文字です。「食」は器の形から、器に盛られた「食べもの」の意味になり、さらに「食べる」という意味になりました。
古代の人は一日二食、日の出と日の入りに、太陽に感謝と祈りを捧げて食べたそうです。人は野山の獣や木の実、田畑の稲や根菜類、川や海の魚たち、それら生き物の命をいただいて生きています。「ありがとう!」と感謝しながらよく噛んで、身体の栄養にさせていただきましょう。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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