産経国際書会

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音をしっかり聞き取る…「聞」

 前回ぜんかいつづき「もん」のつく文字もじです。みなさんは授業中じゅぎょうちゅう先生せんせいのおはなしをしっかり「聞」いていますか?

 ひだり甲骨文こうこつぶん(紀元前きげんぜん1000ねん以上前いじょうまえ)をみると、ひとがひざまずき、みみをあてて、はっきりこうとする姿すがたをかたどっているのがわかります。ちいさい神様かみさまこえ(おとない)をしっかり聞き取ろうとするため、耳のおおきさが強調きょうちょうされているのがわかります。

 ここには「門」の文字は使つかわれていません。「門」のついた「聞」という字が使われるようになったのは、戦国時代せんごくじだい(紀元前450年代ねんだいから紀元前250年代)ころからとわれています。戦後のですから「門のそとから聞こえてくる音をしっかり耳でとらえる」という意味いみで使われるようになったようです。

 「聞」は「きこえてくる音をきく」ことで、「名曲めいきょくく」の「聴」とは使いけますが、この問題もんだいまた機会きかいに。「聞」は「耳」が部首ぶしゅ、「間」は「門」が部首ですから、ちのちがいがわかりますね。

(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)