産経国際書会

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お供えの貝のお金がたっぷりある…「実」

 九月くがつになり二学期にがっきはじまりました。りのあきにはいろんな行事ぎょうじがあってたのしみだね。じつは、今回こんかいの「実」のもとは「實」で、左上ひだりうえ金文きんぶんでは、「べん」と「かん」とがわさったかたちなんだ。「宀」は祖先そせんれいまつる廟(みたまや)の屋根やねの形の神聖しんせい建物たてものあらわわしているよ。

 「貫」はよくると、上部じょうぶあなけてつないでいる形だね。部は「かい」だから、おかねとして使つかった貝に穴を開け、ひもとおした形のことなんだ。だから、「實」は祖先の霊へ、貝のお金をどっさりおそなえすることをしていて、そこから「みちる・みのる・み」の意味いみに使い、のち簡単かんたんな「実」になったんだ。

 果実かじつがつまっている果物くだもので、人のこころてはめると、誠実せいじつ真心まごころちていることだね。さあ秋れの季節きせつじゅうした毎日まいにちにしよう。

(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)