2017年3月19日
神さまへのおふだに書かれた神聖な言葉 「書」
地球に人類が生存するようになり、やがて集落をつくって住まうようになると、何かを伝えるための手段として、文字が作られました。そして人間は、その文字を書くようになりました。そこで今回は、「書」について考えます。
「書」は、筆を手に持つかたちの「聿()」と、「者」からなっています。「者」は、神さまに願い事を書いたおふだ(祝詞)を入れた器()を、土の中に入れ、上に木の枝を重ねて土をかぶせたかたちです。
集落のまわりを囲む土垣の中に祝詞をおさめると、土神さまの力で集落の人々を悪霊から守る、とされていました。そのおふだに書かれた神聖な祝詞の文を「書」と言いました。
のちに、書は書くこと、文字や手紙、本や書道などの意味を表すようになったのです。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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