2017年7月 9日
祖先の霊に肉を供えることからできた「間」
「門」のつく字はたくさんありますが、今回と次回はよくつかう二字、「間」と「聞」を考えます。最初は「間」です。「門」は押すと両方に開く扉の形()からできた象形文字です。「門」には、内と外を区別する役目があります。祖先の霊をまつっている廟(みたまや)は、神聖な場所で、人々はその門中に肉を供え、安らかに静かであることを祈りました。
みたまやの門に肉を供えることから「閒()」という字が成り立ちました。神聖な場所と俗界の「間(あいだ)」、「ま」、「すきま」などの意味になりました。「閒」は、いまは略字の「間」と書いています。
門のすきまから月光がさしこむ、という説もあり、その場合の「月」は「お月さま」を指しますが、神への祈りを抜きには考えられない古代人の姿から、「閒」の「月」は、「肉」をあらわしたもの、という考え方が今は主流のようです。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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