2017年7月23日
音をしっかり聞き取る...「聞」
前回に続き「門」のつく文字です。皆さんは授業中、先生のお話をしっかり「聞」いていますか?左の甲骨文(紀元前1000年以上前)をみると、人がひざまずき、耳に手をあてて、はっきり聞こうとする姿をかたどっているのがわかります。小さい神様の声(音ない)をしっかり聞き取ろうとするため、耳の大きさが強調されているのがわかります。
ここには「門」の文字は使われていません。「門」のついた「聞」という字が使われるようになったのは、戦国時代(紀元前450年代から紀元前250年代)ころからと言われています。戦後の世ですから「門の外から聞こえてくる音をしっかり耳でとらえる」という意味で使われるようになったようです。
「聞」は「きこえてくる音をきく」ことで、「名曲を聴く」の「聴」とは使い分けますが、この問題は又の機会に。「聞」は「耳」が部首、「間」は「門」が部首ですから、成り立ちの違いがわかりますね。
(書:産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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