産経国際書会

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つま先立ちして遠くを眺める…「望」

「望」は、契文けいぶん甲骨文字こうこつもじ)では左上ひだりうえのように「」ときます。(壬)は、ひとがつま先立さきだちをしていることをあらわし、とおくをながめているという意味いみになります。金文きんぶん篆文てんぶんでは、つきを加えて「朢」となり、「」の表すおんの意味は「まん」なので、「朢」は十五夜じゅうごや満月まんげんつを表すようになりました。

のちに声符せいふ漢字かんじの音を表す部分ぶぶん)として「亡」が加わり「望」字ができると、「朢」とおなじ意味、内容ないようになりました。「朢」は「望」の本字ほんじでもともとはひとつ。現在げんざいは「望」のみが使用しようされています。

「望」を使つかった熟語じゅくごには、望郷ぼうきょう展望てんぼう希望きぼうなどがあります。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)