産経国際書会

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太鼓の音と走る稲妻…「雷」

 かみなりは、くらそらから轟音ごうおんひびき、あつくもいてするどひかりはしります。梅雨つゆ間近まぢか光景こうけいです。「」は金文きんぶんで「雷」です。四隅よすみにある「田」は、田畑たばたの田ではなく、太鼓たいこあらわし、「×」は、縦横じゅうおうに走る稲妻いなずましめしています。

 のちに、「雨」をくわえて形声文字けいせいもじとなり、さらに「田」をひとつに省略しょうりゃくしました。雷さまは、おに虎柄おtらがらのパンツをはき、うしろに太鼓がえがかれています。じつにうまく文字を絵にしています。

 むかしは、雷が鳴ったら、「雷様にられるからヘソをかくせ」とわれました。雷が鳴る時期じき薄着うすぎで、きゅう気候きこう変化へんかで風邪をひきやすくなるため、おなかをこわさないためだった、とも言われています。昔のひと知恵ちえを思い、からだ大切たいせつにしましょうね。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)