産経国際書会

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神様に供えたキビのかおり…「香」

 くちなしのしろはながとてもかおりをただよわせています。ることのできない、この「かおり」は?とかんがえてみました。左上ひだりうえ甲骨文字こうこつもじを見てください。

 祝詞のりとれると、しょ(キビなどの穀物こくもつ)をかみそなえるかたちです。このように、2つ以上いじょうの文字をわせ、あたらしい意味いみあらわすものを会意かいい文字と言います。

 神さまへのお供えは、香りたかいものが第一だいいちと考えられ、穀物のなかもっともおいしく高級こうきゅうで香りが良いきびを、みのりへの感謝かんしゃをこめて供えました。てのごはんの香りをおもすと、よくわかりますね。これこそ嗅覚きゅうかくうったえた「香」の意味だったのです。いまも炊き立てのご飯を一番いちばんに神様に供える風習ふうしゅうのこっています。ひとが神様に感謝する行為こういは、今もむかしおなじなのですね。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)