神前で声を上げて応答を得る…「詩」
2018.12.16

「詩」という文字は、「言」と「寺」で構成されます。「言(
)」は、神に誓いを立てて祈る言葉。「寺(
)は上の篆書をみるとわかるように、何かを手に持つかたちを表し、「持つ」という文字のはじめのかたちでした。次回に紹介する「歌」でも、「可」の文字が、杖で
(サイ)をたたいて、祈り訴えることをあらわすように、「詩」は、神前で声を上げて「うた」をうたいあげることにより、神の応答を得るのが目的でした。
「うた」の内容は、最初は儀礼に沿った決まったものでしたが、後に人間の心情をうたうものとなり、人々を共鳴させ、やがて文学にまで高められました。
「寺」が寺院の意味で使われるようになったのは、漢代に入ってからといわれています。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
