2018年4月 1日
「~ではない」という意味...「不」
お花見の季節。満開の桜は綺麗だけれど、すぐ散ってしまうのが少し残念だね。花が萎れて花弁が散ると、土台の「萼(へた)」と「お(め)しべ」が残るよね。今回はそんな花の形からできた「不」の文字をとりあげよう。左の古代文字(甲骨文字)を見ると、花の形がよくわかるよね。
ところが、「不」は、昔から花の「萼」の意味で使われたことはほとんどないんだ。不思議だよね。
悪いイメージの言葉としては、「不安」「不幸」「不調」など、良いイメージの言葉では、「不屈」「不倒」「不動」など、いずれも「~ではない」という打ち消しの意味を指すんだ。
一方、「不」の下に「口」を加えた「否」も、「~にあらず」という否定の意味があり、「否認」「否決」「安否」などと使うんだ。
さて、ここまで、何かご不明な点はありますか?
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
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