2018年5月13日
ひざまずいて神意を見届ける...「見」
百聞は一見にしかず、とは、何回も聞くより、一度目で見て確かめることが大切、という意味ですね。目で見ることの大切さは、左上の「見」の甲骨文字を見るとよくわかります。ひざまずいている横向きの人()の上に、大きな目()がのっています。
このように目を強調することで、神霊が現れるのをしっかり見ようとする人の行為を表しているのです。
「望」が、つま先立ちして遠くを眺める行為を指すのに対し、「見」は、ひざまずいて神を仰ぎ、神意(神様の意志、お告げ)を見届けようとしているのです。
やがて「見」は、見学、物見などの「みる」という意味のほか、会見、謁見(あうこと)、見当(みこみや、めあて)、見事(すぐれていること)、意見(おもいや、かんがえ)など、たくさんの意味の広がりを表す文字となりました。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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