2018年5月27日
前の人に追いつく心...「急」
「急がないと、学校に遅れますよ!」という声が、路地から聞こえてきました。そこで、きょうは、「急げ!」「大至急!」の「急」を考えてみましょう。「急」は、「」がもとの字です。「」の「ク」は、「人」()、「」は「又」(手のこと=)。この二つを組み合わせると、「」となり、人が後ろから、前の人の衣服の裾を捕まえた形になります。これは「及」と同じ形で、「急」の音は、「及」から来ています。「及」の下に「心」()が加わることにより、前の人に早く追いつこうとする、はやる心の様子が表現されて、「急」が成り立ちました。左の篆書()を見ると、よくわかりますね。
私たちがお茶を飲むときに使う急須も、急な求めに応じて「須」いる、というのがもとの意味です。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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