2018年6月24日
太鼓の音と走る稲妻...「雷」
雷は、真っ暗な空から轟音が鳴り響き、厚い雲を切り裂いて鋭い光が走ります。梅雨明け間近な光景です。「」は金文で「雷」です。四隅にある「田」は、田畑の田ではなく、太鼓を表わし、「×」は、縦横に走る稲妻を示しています。後に、「雨」を加えて形声文字となり、さらに「田」をひとつに省略しました。雷様の絵は、鬼が虎柄のパンツをはき、うしろに太鼓が描かれています。実にうまく文字を絵にしています。
昔は、雷が鳴ったら、「雷様に取られるからヘソを隠せ」と言われました。雷が鳴る時期は薄着で、急な気候の変化で風邪をひきやすくなるため、おなかをこわさないためだった、とも言われています。昔の人の知恵を思い、体を大切にしましょうね。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
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