2018年7月22日
神様に供えたキビのかおり...「香」
くちなしの白い花がとても良い香りを漂わせています。目で見ることのできない、この「香」は?と考えてみました。左上の甲骨文字を見てください。祝詞を入れると、=黍(キビなどの穀物)を神に供える形です。このように、2つ以上の文字を組み合わせ、新しい意味を表すものを会意文字と言います。
神様へのお供えは、香り高いものが第一と考えられ、穀物の中で最もおいしく高級で香りが良い黍を、実りへの感謝をこめて供えました。炊き立てのご飯の香りを思い出すと、よくわかりますね。これこそ嗅覚に訴えた「香」の意味だったのです。今も炊き立てのご飯を一番に神様に供える風習が残っています。人が神様に感謝する行為は、今も昔も同じなのですね。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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