2018年9月 2日

穀物の1回の実り...「年」

20180831_kanji_1.png  9(がつ)になると、手紙(てがみ)挨拶(あいさつ)は、「初秋(しょしゅう)」「涼月(りょうげつ)」などと()きます。とはいえ、(あつ)()はまだまだ(つづ)き、暑さが()れば、「(みの)りの(あき)」となります。
 きょう()()げる「年」は、「みのり」を(あらわ)しているのです。
 (ひだり)篆書体(てんしょたい)をみると、「年」は「()」と「(せん)」からなる文字(もじ)とわかります。「禾」は(いね)()が実って()れた(かたち)。「千」は「(ひと)」と「(いち)」の合字(ごうじ)(かず)(おお)いことを意味(いみ)します。穀物(こくもつ)は年1(かい)()をつけることから、「年」とは、「1回の実り」を意味していたのです。1年は「1回の実り」、2年は「2回の実り」と、(のち)年数(ねんすう)(かぞ)えるのに使用(しよう)されました。
 まもなく、秋の味覚(みかく)(たの)しむ季節(きせつ)がやってきますね。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)

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