2018年9月 2日
穀物の1回の実り...「年」
9月になると、手紙の挨拶は、「初秋」「涼月」などと書きます。とはいえ、暑い日はまだまだ続き、暑さが去れば、「実りの秋」となります。きょう取り上げる「年」は、「みのり」を表しているのです。
左の篆書体をみると、「年」は「禾」と「千」からなる文字とわかります。「禾」は稲の穂が実って垂れた形。「千」は「人」と「一」の合字で数の多いことを意味します。穀物は年1回実をつけることから、「年」とは、「1回の実り」を意味していたのです。1年は「1回の実り」、2年は「2回の実り」と、後に年数を数えるのに使用されました。
まもなく、秋の味覚を楽しむ季節がやってきますね。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
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