2018年10月 7日

火と貴人の玉の色...「黄」

20181005_kanji_1.png  (あき)(なか)ばになると、東京都(とうきょうと)()銀杏(いちょう)黄色(きいろ)並木道(なみきみち)を彩ってくれます。
 「黄」の甲骨文(こうこつぶん)左上(ひだりうえ))を()ると、弓矢(ゆみや)()仕掛(しか)けて(はな)(かたち)で、その火の色から、「き」、「きいろ」となりました。金文(きんぶん)20181005_kanji_3.png)は、佩玉(はいぎょく)貴人(きじん)(ころも)(おび)(むす)玉製(ぎょくせい)装身具(そうしんぐ))の形から(つく)られ、玉の色から、「き」「きいろ」になった、という(ふた)つの(せつ)があり、どちらも(ただ)しいといいます。
 佩玉の黄色から、身分(みぶん)(たか)いことを(しめ)す色にもなりましたが、秋は黄葉(こうよう)枯葉(かれは)となり、黄とは(おとろ)()いることを示す色でもありました。
 (のち)陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)(とな)えられ、(もく)()()(ごん)(すい)の五行を、(あお)(あか)()(しろ)(くろ)の色に()()え、黄を中心(ちゅうしん)()きました。黄は古代中国(こだいちゅうごく)伝説的皇帝(でんせつてきこうてい)黄帝(こうてい)で五帝の中心、天子(てんし)(くらい)とし、ここから、黄門(こうもん)(天子の門)、黄屋(こうおく)(天子の()(くるま)(おお)い、(てん)じて天子のこと)などの言葉(ことば)もできました。
(産経国際書会常務理事・眞田朱燕)

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