2018年10月 7日
火と貴人の玉の色...「黄」
秋も半ばになると、東京都の木、銀杏が黄色に並木道を彩ってくれます。「黄」の甲骨文(左上)を見ると、弓矢に火を仕掛けて放つ形で、その火の色から、「き」、「きいろ」となりました。金文()は、佩玉(貴人が衣の帯に結ぶ玉製の装身具)の形から作られ、玉の色から、「き」「きいろ」になった、という二つの説があり、どちらも正しいといいます。
佩玉の黄色から、身分の高いことを示す色にもなりましたが、秋は黄葉、枯葉となり、黄とは衰え老いることを示す色でもありました。
後に陰陽五行説が唱えられ、木火土金水の五行を、青赤黄白黒の色に置き換え、黄を中心に置きました。黄は古代中国の伝説的皇帝、黄帝で五帝の中心、天子の位とし、ここから、黄門(天子の門)、黄屋(天子の乗る車の覆い、転じて天子のこと)などの言葉もできました。
(産経国際書会常務理事・眞田朱燕)
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