2018年11月 4日
しなやかな女性の舞姿から...「委」
仕事や物事をうまく動かすためには、権限を「委譲」して、人に委ねるのも一つの方法ですね。今回は「委」についてみていきます。「委」は「禾」+「女」で構成されます。左の金文を見ると、「禾」は、穂がしなやかに垂れる「いね」の象形。「女」は「ひざまずいて手を前についている」状態を表しているのです。
昔、田植えの際には、豊かに稔ることを願って、男女一組で禾型の被り物をして「田の舞」を踊りました。その際、男が立って舞うのに対し、女性は「低い姿勢でしなやかに舞った」とされています。
この「低い姿勢でしなやかに舞う女性」から転じて、「委」は、「力がない」ことを表すようになり、「ひくい・したがう・ゆだねる」などの意味がうまれました。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)
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