産経国際書会

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分銅を握り自在に動かす・・・「権」

 「けん」はおもり、ものをはかる、はかりごと、つりあいなど意味いみがあります。ひだり篆書てんしょてわかるとおり、「権」は(木)と「」()のおんからります。

 じつは、「権」の借用しゃくようで、本字ほんじは「」でした。「扌」は、「」は分銅ぶんどう。物のおもさをはかるには、分銅とはかり竿ざおもちいます。はかり竿は最初さいしょから平衡へいこうにすることは困難こんなんで、一方いっぽうがりがりするため、はかるひとが「」をにぎり、自由じゆううごかことができることから「権力けんりょく」「権勢けんせい」という言葉ことばまれました。

 人と人との人間関係にんげんかんけいむずかしいものです。ちからまどわされることなく、つねに平衡感覚かんかくってつきあい、い人間関係をきずきましょうね。

(産経国際書会副理事長 高橋照弘)