「少年よ 大を抱いだけ」とは、明治めいじ時代じだいに札幌さっぽろ農学校のうがっこう(現げん北海道ほっかいどう大学だいがく)を開校かいこうしたクラーク博士はかせの名言めいげんとして有名ゆうめいです。そこで今回こんかいは「志」をひもときましょう。
「志」は、「士」と「心」から成なっています。左ひだりの篆書てんしょをみると、「士し」は、「之し」(
)が楷書化かいしょかしたかたちと言いわれ、「行いく」という意味いみです。「心こころ」は、心臓しんぞうの形かたち(
)からできた文字もじで、のちに人間にんげんの内面的ないめんてきな気持きもちを表あらわす「こころ」を指さすようになりました。すなわち、心がある方向ほうこうを目指めざして行くことを、「志こころざす」というようになったのです。
孔子こうしは論語ろんごの中なかで、「吾十有五而志乎学」(私わたしは15歳さいで学問がくもんを志した)と言っており、このことから、「志学しがく」は15歳のことを指すようになりました(同おなじように、30歳を「而立じりつ」、40歳を「不惑ふわく」と言います)。
「志」を持って未来みらいへと進すすんでくださいね。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)