神秘的な意味合いを含む…「呼」
2019.3.24

「呼」を分解すると、「口」と「乎(こ)」に分かれます。「口」は「声を出す」「名づける」「息を吐く」などの意味が含まれます。一方「乎」は、左の金文をみるとわかるように、鳴子(なるこ:音を出す道具)の板の形を表し、神様を呼ぶために使われました。また、胸から上へ上がってきた息を表す文字とされています。
「体から声を出して叫ぶ」という意味ですが、以上のような成り立ちから神秘的な意味合いがあり、「呼応」(呼びかけに応えること)、「呼称」(名をつけて呼ぶこと)、「呼吸」(息を吸ったり吐いたりすること)などと使います。
書道では、先生の技術を学ぶだけでなく、「『呼吸』を感じることが大切」とよく言われます。あなたも思いを込めて書くと、良い字が書けるかもしれませんよ。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)
