産経国際書会

「産経国際書会」公式ホームページです。

百の川の水も容れる…「海」

 15にちは「うみ」。世界地図せかいちずひろげてみると、あおい海がおおくをめ、地球ちきゅうみず惑星わくせいだということがよくわかります。

 「海」はひだり篆書てんしょるとわかるように、へんに、意味いみつ「水」と、つくりおんを持つ「まい」をあわせてできた形声文字せいけいもじです。ひゃくかわの水もれるおおきなてんいけのことで、音は、「マイ」からのちに「カイ」に変化へんかしました。

 海にはくらい、底知そこしれない意味もあり、紀元前きげんぜん戦国時代せんごくじだい中国ちゅうごく哲学者てつがくしゃ荘子そうじの「逍遥遊しょうようゆうへんをみると、北極不毛ほっきょくふもうの地に「冥海めいかい」があり、この海を「かい」といい、ひるにも日のひかりうしなった海で、水のいろくろいています。古代こだい中国では中央ちゅうおう文化ぶんかはなく「中華ちゅうか」としょうし、周辺国しゅうへんこくは、文明ぶんめいの光がとどかない野蛮やばんくにとみなしていました。

(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)