「秋の運動会が予せぬ雨あめで延えん期になりました。でも、夜よるは綺麗きれいな月つきで、さわやかな時じ期です」…。
今日きょう取とり上あげる漢字かんじは「期」。上うえの金文きんぶんを見みると、左側ひだりがわは「其き」(もとは「箕き」)で、穀物こくもつを掬すくう四角形しかくけいの道具どうぐの形かたちなんだ。決きまった量りょうを量はかる方形ほうけいのもの、という意味いみだよ。右みぎ側の「月」は、上弦じょうげん(上半分うえはんぶんの月)→満月まんげつ→下か弦(下した半分の月)→新しん月(見えない)と変化へんかして、やがてもとの形にもどるから、めぐる時間じかんを指さす。そこから、長ながく続つづく時間を区切くぎったものを「期」としたんだよ。
古ふるい字形では「月」の代かわりに「日ひ」を使つかった字もあり、月や太陽たいようの運航うんこうによる一定いってい時間を示しめすんだ。だから、「期日じつ」(予あらかじめ決めた特定とくていの時期)や、「納のう期」(商品しょうひんを納入にゅうする期日)と使うよね。ちなみに、「其」の付く文字(基き、旗き、欺ぎ、棋き、碁ご)は、「四角い」「キチンとした」という意味に関係かんけいしているから、調しらべてみてね。期待たいしているよ。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)