産経国際書会

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鍋にふたを合わせた形…「会」

 まちでばったり友人ゆうじん出会であうことがあります。「かい」は「會」がもとの漢字かんじです。
 左上ひだりうえ金文きんぶんは、「」(なべにかぶせるふた)、「」(食物しょくもつれたかたち)、「」(鍋をのせるだい)で、食物を蒸したりいたりする鍋に蓋をわせた形の象形しょうけい文字です。鍋に蓋をのせ合わせることから、「あつまる」「ふたをする」「あう」の意味いみになりました。「會」の「」をると、「」とおなじ蒸し器をあらわす字になり、かさ ねることを示し、「そう」(屋根やねの形)が重層じゅうそうの意味になります。

 「会」が「会合かいごう」の意味で使つかわれるのは後年こうねんのことで、ふるくは「」(ひとあつまり)が使われました。「」(祝詞のりとを入れる器)を「」(掩蓋えんがい=大きな蓋)でふうじ、これを「ごう」といい、人の集まりを「」、集まってかおを「」わす「」、たがいにかい合ってすことを「す」ともちいていました。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)