2019年1月20日

長い鼻の動物を表した象形...「象」

20190111_kanji_1.png  今回(こんかい)動物園(どうぶつえん)人気者(にんきもの)登場(とうじょう)です。(ひだり)の「(ぞう)」の金文(きんぶん)をみると、(なん)となく「(なが)(はな)の動物」を(あらわ)していることがわかりますね。中国(ちゅうごく)では、(ふる)(いん)時代(じだい)紀元前(きげんぜん)17世紀(せいき)頃~紀元前11世紀)には、象を捕獲(ほかく)して宮殿(きゅうでん)などの土木工事(どぼくこうじ)使(つか)っていたとされ、なじみのある動物だったようです。
 このように(もの)や動物の(かたち)姿(すがた)から由来(ゆらい)した文字(もじ)を「象形(しょうけい)文字」と()います。また、象は陸上(りくじょう)の動物ではかなり(おお)きいことから、「大きなかたち」「大きなしるし」を意味(いみ)し、そこから「かたち」「しるし」を表すようになりました。
 ()れ・(あめ)など自然(しぜん)の大きなかたち・しるしを「気象(きしょう)」、現実(げんじつ)のかたちになった出来事(できごと)を「現象(げんしょう)」と言いますね。また、象に「にんべん」を()(くわ)えると「(ひと)()せたかたち」を表す「(ぞう)」になります。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)

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