2019年2月10日

分銅を握り自在に動かす・・・「権」

20190210_kanji_1.png  「(けん)」はおもり、(もの)をはかる、(はか)りごと、つりあい(など)意味(いみ)があります。(ひだり)篆書(てんしょ)()てわかるとおり、「権」は20190210_kanji_2.png(木)と「20190210_kanji_3.png」(20190210_kanji_4.png)の(おん)から()ります。
 (じつ)は、「権」の()借用(しゃくよう)で、本字(ほんじ)は「20190210_kanji_5.png」でした。「扌」は()、「20190210_kanji_4.png」は分銅(ぶんどう)。物の(おも)さをはかるには、分銅とはかり竿(ざお)(もち)います。はかり竿は最初(さいしょ)から平衡(へいこう)にすることは困難(こんなん)で、一方(いっぽう)()がり()がりするため、はかる(ひと)が「20190210_kanji_4.png」を(にぎ)り、自由(じゆう)(うご)かことができることから「権力(けんりょく)」「権勢(けんせい)」という言葉(ことば)()まれました。
 人と人との人間関係(にんげんかんけい)(むずか)しいものです。(ちから)(まど)わされることなく、(つね)に平衡感覚(かんかく)()ってつきあい、()い人間関係を(きず)きましょうね。
(産経国際書会副理事長 高橋照弘)