2019年3月17日
まっすぐ正しい行い...「徳」
知育・体育とともに教育の重要な項目に挙げられる「徳育」。「道徳」の授業もありますね。きょうはこの「徳」について取り上げます。左の篆文を見ると、偏がなく、「直」と「心」()が合わさってできているのがわかります。「徳」の本字は、実はこの「悳」でした。「直線」の「直」と「心」で、すなおでまっすぐな心を表したのです。後に「彳」(ぎょうにんべん)を加えて、「まっすぐ正しい行い」を表すようになりました。「徳」とは、「立派な行為」「善い行い」で、その結果身につけた品格や、善 や正義に従う人格的能力も指すようになりました。
「論語」の有名な言葉に「徳は孤ならず必ず隣あり」があります。徳のある人は孤立しない、理解して助けてくれる人が現れる、という意味です。そんな友人が持てるよう、「徳を積み」(努力すること)ましょうね。
(産経国際書会常務理事、山本晴城)
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