2019年5月 5日
ひざまずきお告げを受ける...「令」
「新しい元号は令和であります!」 新元号1回目の「漢字と仲良く!」で扱うのは当然「令」。上の金文を見ると上が「」で、下は「」。儀礼用の帽子(礼帽)をかぶって神様の前にひざまずき、お告げを受ける人のかたちをしているんだ。神様のお告げ(命令)が「令」の元々の意味で、「令」に口()(祈りの言葉を入れる器)を合わせた形が「命」。だから、「令」が「命」の元の字ということだね。
そこから天子や上位の人の「みことのり」「言いつけ」「決まり」や、また皆が神意に従うことから、「良い」「立派」の意味にも使うようになった。
「法令」「辞令」「発令」などの硬いイメージだけでなく、敬う意味の「令嬢」「令息」、評判の良い意味の「令名」「令聞」のように、澄みきった良い響きの語句もあり、「令和」はここから取ったとされるんだ。
ちなみに、「冷」「領」「鈴」など「令」の付いた字は、「澄んだ」「清らかな」の意味に関係があるので、調べてみよう。私からの指令だよ。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
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