2019年5月19日
人が近づくことのできるギリギリの神域...「限」
来年の
東京オリンピック・パラリンピックに
向け、
出場を
目指すアスリートは
日々極限の
練習を
重ねています。そこで
今回は、「限」を
取り
上げます。
左の
金文を
見てください。「限」は、
神霊がのぼりおり(
陟降)する
梯子の
形(
![20190517_kanji03.png](https://www.sankei-shokai.jp/20190517_kanji03.png)
)が
神聖な
場所にあって、
邪悪な霊が
近寄らないよう
呪いをかけた
作り
物の
目(
![20190517_kanji04.png](https://www.sankei-shokai.jp/20190517_kanji04.png)
)を
掛けました。それを見て、
恐れをなしてスゴスゴと
後ろ向きに
退いていく
人の形(
![20190517_kanji05.png](https://www.sankei-shokai.jp/20190517_kanji05.png)
)から
出来た、まるで
物語のような
文字です。「ここに
入ってはいけません!」という
意味で、
限界、
限定、
制限、
限度などの
言葉ができました。
このように、
偏(文字の
左側)に
置く「阝」(こざと)は、
神様の梯子なので、神様に
供え物を
捧げる意味の「
祭」に「阝」(こざと)をつけた「
際」は、人が神に近づくことができるギリギリのところ、極限を意味します。
一方、
旁(文字の
右側)に置く「阝」(おおざと)は、形は
同じでも、もとの
字が
邑で、
集落のことです。
字源が
違うとまったく意味が
変わってくるのです。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)