2019年5月26日

神器の上に浮かび上がった神の姿...「容」

20190524_kanji01.png  顔立(かおだ)ちや姿(すがた)(うつく)しいことを容姿端麗(ようしたんれい)と言います。「容」は、(ひだり)篆書(てんしょ)()るとわかるように、祖先(そせん)をまつる(みたまや)屋根(やね)(かたち)「宀」と、(ねが)(ごと)()いた祝詞(のりと)()れる(うつわ)20190524_kanji03.png」の(うえ)に、かすかに(あらわ)れた(かみ)の姿「20190524_kanji04.png」をあわらした会意(かいい)文字(もじ)で、「すがた」「かたち」「ようす」の意味(いみ)から、「ゆるす」「いれる」の意味にも使(つか)われ、容赦(ようしゃ)容認(ようにん)容量(ようりょう)容疑(ようぎ)などの言葉ができました。
 廟に(はい)って(いの)るため、()(きよ)沐浴(もくよく)する「浴」、(れい)の姿が現れることを(つよ)く願う意味の「欲」、お姿が現れることで(ふく)(さず)かることを「裕」と言います。この(さん)字に使われている「谷」は、「容」の「谷」と系統(けいとう)が同じで、祈りに(かん)する「20190524_kanji03.png」の文字分類(ぶんるい)に入ると言われます。
 左右(さゆう)(やま)(せま)りできる「谷」は「山谷(やまたに)20190524_kanji05.png)」の意味で、容の「谷」とは区別(くべつ)されます。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

20190524_kanji02.png