2019年6月 2日
横から見た形が字になった...「馬」
「馬」という字は、典型的な象形文字です。左の甲骨文字を見ると、頭、たてがみ、前足、後ろ足、そして長い尻尾まで揃った馬を横から見た形だ、ということがよくわかりますね。古代中国でも、華北平原と内モンゴルに広く野馬が生息し、早くから家畜として、移動、輸送手段として使われていました。
馬は人間の飼っている家畜の中ではほぼ最大のものだったので、大きいものの象徴としても使われます。中国で「馬蜂」と言えば、スズメバチのこと。大豆を「馬豆」と言う地方もあるそうです。
ウマ年、十二支のウマは、「午」と書きます。もともとは「忤」という漢字で、「つきあたる」「さからう」という意味があり、覚えやすいように動物の「馬」があてられました。「幸運が駆け込んでくる」縁起のよい動物であるから、とされています。
(産経国際書会常務理事、山本晴城)
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