2019年6月 2日

横から見た形が字になった...「馬」

20190531_kanji_01.png  「馬」という()は、典型的(てんけいてき)象形文字(しょうけいもじ)です。(ひだり)甲骨(こうこつ)文字を()ると、(あたま)、たてがみ、前足(まえあし)(うし)ろ足、そして(なが)尻尾(しっぽ)まで(そろ)った(うま)(よこ)から見た(かたち)だ、ということがよくわかりますね。
 古代中国(こだいちゅうごく)でも、華北平原(かほくへいげん)(うち)モンゴルに(ひろ)野馬(やば)生息(せいそく)し、(はや)くから家畜(かちく)として、移動(いどう)輸送手段(ゆそうしゅだん)として使(つか)われていました。
 馬は人間(にんげん)()っている家畜の(なか)ではほぼ最大(さいだい)のものだったので、(おお)きいものの象徴(しょうちょう)としても使われます。中国で「馬蜂」と()えば、スズメバチのこと。大豆(だいず)を「馬豆」と言う地方(ちほう)もあるそうです。
 ウマ(とし)十二支(じゅうにし)のウマは、「午」と()きます。もともとは「忤」という漢字(かんじ)で、「つきあたる」「さからう」という意味(いみ)があり、(おぼ)えやすいように動物(どうぶつ)の「馬」があてられました。「幸運(こううん)()()んでくる」縁起(えんぎ)のよい動物であるから、とされています。
(産経国際書会常務理事、山本晴城)

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