「固い意志」は持続できますか...「固」

　「継続(けいぞく)は力(ちから)なり」と、言(い)うのは簡単(かんたん)ですが、継続するには「固(かた)い意志(いし)」が必要(ひつよう)ですね。今回(こんかい)はこの「固(こ)」という文字(もじ)を見(み)ていきましょう。
　左(ひだり)の金文(きんぶん)を見てください。「固」を分解(ぶんかい)すると「古(こ)」＋「□(い)」になります。「古」という漢字(かんじ)の成(な)り立(た)ちには複数説(ふくすうせつ)がありますが、代表的(だいひょうてき)なものとして「『干』というたてと『（サイ）』という祈器(きき)を用(もち)いて祝詞(のりと)を守(まも)る様子(ようす)を表(あらわ)す」とされます。一方(いっぽう)、「□」（くにがまえ・囲(かこ)う）には、「まわりを固める」という意味(いみ)があり、両者(りょうしゃ)を合(あ)わせて「一層(いっそう)厳重(げんじゅう)に守る」という「堅固(けんご)」の意味になりました。堅固なため久(ひさ)しく持続することから、「固有(こゆう)」「固定(こてい)」の意味ができ、固持(こじ)することが度(ど)を過(す)ぎると、「頑固(がんこ)」と言われます。
　こうしてひも解(と)いていくと、「固い意志」も持続できそうな気になりませんか。
（産経国際書会評議員、鈴木暁昇）