2019年7月14日
百の川の水も容れる...「海」
15日は「海の日」。世界地図を広げてみると、青い海が多くを占め、地球が水の惑星だということがよくわかります。「海」は左の篆書を見るとわかるように、偏に、意味を持つ「水」と、旁に音を持つ「毎」をあわせてできた形声文字です。百の川の水も容れる大きな天の池のことで、音は、「マイ」から後に「カイ」に変化しました。
海には暗い、底知れない意味もあり、紀元前、戦国時代の中国の哲学者、荘子の「逍遥遊」篇をみると、北極不毛の地に「冥海」があり、この海を「晦」といい、昼にも日の光を失った海で、水の色は黒と書いています。古代中国では中央を文化の華が咲く「中華」と称し、周辺国は、文明の光が届かない野蛮な国とみなしていました。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
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