2019年8月11日
振り返ってよく考える...「省」
お盆休み。前回の「帰」に続き、今回は「省」を取り上げます。「省」は「生」と「目」の形成文字(音を表す部分と、意味を表す部分を組み合わせた文字)です。
上の金文を見てください。「目()」の上にある「」は、「生」の初めの形と言われ、呪いをかけた眉飾りを示しています。
古代において、支配地を治めるためには、威厳と武力でにらみを利かせながら見回りをして、不遜な行為があれば罰を与えました。のち、不遜な行為か否かを判断する「省察」の能力を示すようになり、省吾(不十分なことなどを悟ること)、反省、内省の意味になり、省察の結果によって、意に反したものをとり除くことから、「はぶく」の意味になりました。
帰省とは、帰郷して親の安否を尋ね確かめることです。皆さんの帰省が、たくさんの心の通い合った幸せなひとときでありますように。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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