2019年8月25日

鼻の働きの良い犬から...「臭」

20190823_kanji_01.png  常用漢字(じょうようかんじ)とは、一般(いっぱん)社会生活(しゃかいせいかつ)において、「現代(げんだい)国語(こくご)()(あらわ)場合(ばあい)漢字使用(かんじしよう)目安(めやす)」として内閣(ないかく)から告示(こくじ)された文字(もじ)で、学校(がっこう)(まな)ぶのはすべてこの常用漢字です。ただ、略字(りゃくじ)(おお)く、文字の()()ちから(はな)れてしまったものも(すく)なくありません。「(しゅう)」もその(ひと)つです。
 「臭」は旧字(きゅうじ)では「20190823_kanji_03.png」と書き、(うえ)甲骨(こうこつ)文字をみてわかるように「()20190823_kanji_04.png)」と「(いぬ)20190823_kanji_05.png)」を()()わせてできた文字です。「20190823_kanji_04.png」は、(ひと)(はな)()いた象形(しょうけい)文字で、「(わたし)は」「自分(じぶん)は」と()(とき)に、自分の鼻を(ゆび)さすことから「自」が自分を表すようになりました。本来(ほんらい)は「鼻」の意味(いみ)で、「20190823_kanji_03.png」は、「鼻の(はたら)きのよい犬」、そこから(てん)じて「(にお)いをかぐ」「におい」の意味になりました。
 (おな)じ意味で、「(きゅう)」という文字が使(つか)われましたが、「臭」が「におい」という名詞(めいし)になり、「嗅」が「かぐ」という動詞(どうし)になりました。「嗅」の(つくり)には「犬」がちゃんと(のこ)っていますね。
(産経国際書会常務理事、山本晴城)

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