2019年10月 6日
もとは蛇のマムシのこと...「虫」
太陽が沈むと月が昇ります。秋の夜ともなると、草むらからいろいろな音色が聞こえていきます。今日は「虫」という漢字を取り上げます。現在では、「虫」は昆虫の総称ですが、昔は「虫」は蛇で、マムシのことを言いました。上の甲骨文字を見てください。三角形の大きな頭を書いて、クネクネと動く様子が見えます。「虫」のほかに「它」「也」「地」の字は、蛇の意味を持っています。「地」は大地からうねって遠くまで続いている姿のことです。
蛇の意味だった「虫」が、いつしか昆虫を指すようになって、蛇より小さい虫を指す「」ができ、さらに小さな虫を「蟲」と呼び、区別していました。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)
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