2019年10月 6日

もとは蛇のマムシのこと...「虫」

20190926_kanji_01.png  太陽(たいよう)(しず)むと(つき)(のぼ)ります。(あき)(よる)ともなると、(くさ)むらからいろいろな音色(ねいろ)()こえていきます。今日(きょう)は「(むし)」という漢字(かんじ)()()げます。
 現在(げんざい)では、「虫」は昆虫(こんちゅう)総称(そうしょう)ですが、(むかし)は「虫」は(へび)で、マムシのことを()いました。(うえ)甲骨文字(こうこつもじ)()てください。三角形(さんかくけい)(おお)きな(あたま)()いて、クネクネと(うご)様子(ようす)が見えます。「虫」のほかに「()」「()」「()」の字は、蛇の意味(いみ)()っています。「地」は大地(だいち)からうねって(とお)くまで(つづ)いている姿(すがた)のことです。
 蛇の意味だった「虫」が、いつしか昆虫を()すようになって、蛇より小さい虫を指す「20190926_kanji_03.png」ができ、さらに小さな虫を「(ちゅう)」と呼び、区別(くべつ)していました。
(産経国際書会副理事長、髙橋照弘)

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