2019年10月13日
長く続く時間を区切った...「期」
「秋の運動会が予期せぬ雨で延期になりました。でも、夜は綺麗な月で、さわやかな時期です」...。今日取り上げる漢字は「期」。上の金文を見ると、左側は「其」(もとは「箕」)で、穀物を掬う四角形の道具の形なんだ。決まった量を量る方形のもの、という意味だよ。右側の「月」は、上弦(上半分の月)→満月→下弦(下半分の月)→新月(見えない)と変化して、やがてもとの形にもどるから、めぐる時間を指す。そこから、長く続く時間を区切ったものを「期」としたんだよ。
古い字形では「月」の代わりに「日」を使った字もあり、月や太陽の運航による一定時間を示すんだ。だから、「期日」(予め決めた特定の時期)や、「納期」(商品を納入する期日)と使うよね。ちなみに、「其」の付く文字(基、旗、欺、棋、碁)は、「四角い」「キチンとした」という意味に関係しているから、調べてみてね。期待しているよ。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
前の記事 : もとは蛇のマムシのこと...「虫」
次の記事 : 月と人の姿で表した...「肥」